弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS 改めて大麻を考える その4

<<   作成日時 : 2008/05/05 23:21   >>

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国連薬物犯罪局(UNODC)の『世界薬物報告書2006』第2章、CANNABIS: WHY WE SHOULD CARE を読みながら、改めて大麻について考えています。

第2節「世界最大の薬物市場は記録されないまま成長している」
最初は北米地域での大麻栽培の概況です。含まれる国は、大規模な生産拠点であるメキシコと、最大規模の市場である合衆国、そして新たな生産地として浮上してきたカナダ。この市場は、合衆国政府がこの問題に高い関心を寄せてきたことから、最も解明が進んでいる市場のひとつだといいます。

国境線を隔てて大生産地と大消費地が隣接するという北米。アメリカで大麻消費が増大したのは、メキシコから供給される大麻のせいであり、メキシコで大量の大麻が生産されるのは、大消費地での需要が伸びているから。そして近年では、アメリカから流れた大量の資金がメキシコの犯罪組織を育てた結果、アメリカ国内での薬物取引に、メキシコの犯罪組織が関与するという状況になっているようです。

同報告は、末端価格が高く、ユーザーが多い北米市場での大麻生産高は100億〜600億USドルと推定し、北米は世界の大麻生産高の3分の1を占めるとしています。
まずメキシコ。押収量からみると、メキシコは世界最大の大麻生産地ですが、政府が展開する徹底した大麻根絶プログラムが功を奏して、生産量、耕作面積ともに減少中。2004年には31,000ヘクタールの耕作地を殲滅したとのこと。最近では、メキシコの大麻生産のほとんどは、1000平方メートル以下の場所で隠密裏に行われている、としています。

「メキシコの当局は、大麻生産地を主要な2つの地域に分けている。生産量の52パーセントを占める太平洋地域と、47パーセント占める中西部地域である。近年、太平洋地域のシェアが減少し、中西部地域が増加している。メキシコ政府は、1994年以来、主要な生産地である10州で、ほぼ全ての作物を根絶したと発表し、残る地域はシエラマドレ山脈であるとしている。(略)メキシコ政府は、この地域で産出する大麻の70パーセントが合衆国に発送され、30パーセントが地域内で消費されると推定している。」

さて、次はアメリカ合衆国です。
合衆国では、大麻の使用者は、12歳以上の合衆国人口の11パーセント、18―25歳人口の28パーセント。合衆国国家薬物統制政策事務所(The United States Office of National Drug Control Policy)の推計では、年間に1000トンの大麻を消費しているとしています。

合衆国は大麻の生産国でもあります。同報告は、大麻の栽培は合衆国のすべての州で確認されているとしています。
ところで、同報告に興味深い部分を見つけたので、引用します。
「近年、合衆国で屋外栽培されるものは、カリフォルニアやケンタッキーの国立公園など、いわゆる公共用地での「ゲリラ栽培」と呼ばれる形をとっている。カリフォルニアでの取り締まりが強化されたことで、屋外栽培はオレゴンやワシントンの公共用地へ移行している。カリフォルニアの公共用地での栽培を撲滅するレンジャーは、しばしば、取引をコントロールする犯罪組織による暴力的な抵抗にあっており、ゲリラグループがワナをしかけることも珍しくない。合衆国当局は、国内の大麻栽培はますますメキシコの犯罪組織によって支配されているとしている。
合衆国で行われた世論調査は、大麻耕作と分配の多くが社会的ネットワークを経由して行われていることを示しているが、100億USドル以上の市場が組織犯罪を引き付ける。合衆国でのギャング活性の最新の評価では、警察機関関係者の65パーセントが、その地域でギャングが大麻の取引に関わっていると証言しており、これは他のいかなる薬物よりもはるかに高い割合である。」
国連薬物犯罪局編『世界薬物報告書2006』第2章 158-159頁
http://www.unodc.org/unodc/en/data-and-analysis/WDR-2006.html

実はこの文章、私は別な文書でも読んだことがあるのです。合衆国国家薬物統制政策事務所がインターネット上で公表している大麻乱用防止の小冊子、“Marijuana Myths & Facts―The Truth Behind 10 Popular Misperceptions”の中に、そっくり同じ内容があります。
国立公園での大麻栽培、ワナや銃で武装した栽培者、メキシコ系の犯罪組織の関与…語られているエピソードはほぼ共通しています。そういえば、後日紹介する「新大麻」に関する情報も共通しているようです。
国連に対して回答書を提出したのも、上記の小冊子をまとめたのも、おそらく同じ時期でしょう。この当時、合衆国が大麻に関して強調していたテーマが、『世界薬物報告書2006』には色濃く反映しているようです。
当ブログ2月13日「公園で大麻草を栽培のニュースで思い出したこと」でこの小冊子を紹介しました。
http://33765910.at.webry.info/200802/article_12.html

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