弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS 改めて大麻を考える その21

<<   作成日時 : 2008/05/31 17:18   >>

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国連薬物犯罪局(UNODC)の『世界薬物報告書2006』第2章、CANNABIS: WHY WE SHOULD CARE を読みながら、改めて大麻について考えてきました。5月中に終わりたかったのですが、あと1、2回続けます。

●大麻と依存
大麻依存はないと考える人もありますが、最近の公的機関の報告には、大麻依存について触れているものを多くみかけます。この報告書では、その理由のひとつに、アメリカ精神医学会の診断・統計マニュアル(DSM-W)で、依存の診断基準が変化したことをあげています。
現在の最新版はDSM-W-TRですが、そこでは物質依存を次のように説明しています。
「物質依存の基本的特徴は、物質に関連した重大な問題にもかかわらず、その物質を使用し続けることを示す認知的、行動的、生理学的症状の一群である。反復的な自己摂取様式があり、通常それは、耐性、離脱、脅迫的な薬物摂取行動に至る。物質依存の診断は、カフェインを除くすべての種類の物質に対して適用される。」
高橋三郎ほか訳『DSM-W-TR 精神疾患の診断・統計マニュアル』192頁、医学書院(2005)

ところで、大麻を使う人のうち、どのくらいの割合で依存になる人が出るのでしょう。『世界薬物報告書2006』は、いくつかの研究による推計値をあげています。
「世界保健機構(WHO)の調査結果では、毎日大麻を使用する人の約半分が、こうした基準におおよそ合致する依存を形成するだろうとする。」
「薬物依存のリスクに関するある比較研究では、生涯ユーザのおよそ9パーセントが、いずれ大麻依存になると推計している。合法のものも含む他の薬物と比較して、このリスクは少ない。アルコールではユーザの15パーセント、オピエート類ユーザでは23パーセント、および喫煙者の32パーセントが、その薬物で依存になると推計されている。」
「世界では、大麻でトリートメントを受ける人数は、ヘロインを除けば、他のあらゆる違法薬物より多い。前述したように、検挙されたユーザーは拘禁刑かトリートメントかという選択肢を与えられることから、正確な人数には疑問もあるものの、合衆国だけでも、毎年100万人近くが、大麻の問題を解決するために回復プログラムを受けている。しかし、こうした政策が行われていない国でも、トリートメント対象者の多くが、最初に使った薬物が大麻であると述べている。アフリカ諸国でも、トリートメント需要において、大麻がアルコールをしのぐ例が多い。」
国連薬物犯罪局編『世界薬物報告書2006』第2章 183〜184頁
http://www.unodc.org/unodc/en/data-and-analysis/WDR-2006.html

●未知の影響
ここでは、妊娠中の大麻使用が胎児に及ぼす影響について、調査研究が紹介されています。世界保健機構の報告書で指摘されているのは、妊娠中の大麻使用が出生児の低体重につながるという点。染色体や遺伝子の異常への影響については、WHOは、ほとんどみられないとしていますが、父や母の大麻使用と新生児の先天的な障害に関連を認める研究例も紹介されています。

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