弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS 改めて大麻を考える その17

<<   作成日時 : 2008/05/25 17:54   >>

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国連薬物犯罪局(UNODC)の『世界薬物報告書2006』第2章、CANNABIS: WHY WE SHOULD CARE を読みながら、改めて大麻について考えています。

●負の精神作用
この項目を始めるにあたって、報告書はまず「リーファー・マッドネス」というキャンペーンに触れて、これによって「大麻の危険性に関する公式見解の真実性が損なわれた」としています。
‘reefer madness’というのは、1930年代、マリファナ税法が導入された時期に、マリファナの有害性を啓発するために政府が行ったキャンペーンです。その頂点にあるのは、マリファナを吸った人々が行動を豹変させて、次々と悲劇が起きるという映画で、私の手元にある薬物問題のテキストには「1936年の映画『リーファー・マッドネス』は、マリファナ使用を悪魔の所業のようにみなした。」と説明しています。
ずっと後になってからですが、このキャンペーンは、マリファナに関する迷信を植えつけたとして、痛烈な批判を浴びることになります。そして、マリファナに関して政府が言うことは、すべて迷信だといった風潮さえ生み出してしまったのです。

「リーファー・マッドネス」についてインターネットを検索したら、YouTubeにこの映画が出ていました。ざっと観ていただくと、『世界薬物報告書2006』があえてこの話題に触れている意味がわかると思います。
http://jp.youtube.com/watch?v=fK5CXN9Bd5s 第1部
http://jp.youtube.com/watch?v=rRAi-0LZ-QY 第2部

さて、本論に戻りましょう。「リーファー・マッドネス」のように偏見と誇張に満ちたキャンペーンを展開してしまったことは、その後の広報の足を引っ張ることになりました。マリファナは無害ではない、無視できない精神影響があると説いても、人々にそれを信じてもらうことが、困難になってしまっています。

もう1点、この報告書がスタンスを明確にしていることがあります。それは、古い資料によく登場する「無動機症候群」についての評価です。
「世界保健機構は1997年の研究で、そのような症候群の存在を確認することができなかった。無動機症候群の根拠とされるされるものの多くは、多様な文化圏での大麻の長期使用者に関する非公式な研究を含んでいる。南アフリカやジャマイカなど伝統的に大麻を使う文化では、労働生産を高めるという、反対の根拠もみられる。有力な証拠基盤を欠いていることによって、この症状の診断の正当性は、いまだ不確実である。」
国連薬物犯罪局編『世界薬物報告書2006』第2章 180頁
http://www.unodc.org/unodc/en/data-and-analysis/WDR-2006.html

ここまでは、大麻の精神影響を語るに当たって、自分たちのスタンスを明確にするための、準備です。大麻に関しては、多くの議論があって、1つの研究報告も読む立場によって、その意味が異なることさえあります。こうした現状を踏まえたうえで、『世界薬物報告書2006』は、大麻の作用を語ろうとしているようです。

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