弁護士小森榮の薬物問題ノート

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zoom RSS 大麻の栽培事件の状況・・・平成19年の薬物情勢

<<   作成日時 : 2008/02/22 16:32   >>

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昨年末から話題になっている大麻の栽培事件。増えているといわれていますが、平成19年の状況はどうだったのでしょう。

引き続き「平成1 9 年中の薬物・銃器情勢」より
●大麻事犯
栽培事案の検挙件数及び検挙人員が、それぞれ184件(+8件、+4.5%)、127人(+4人、+3.3%)と増加しており、その方法としては、屋内での栽培事案が栽培事案全体の8割を超え、大半が屋内の居室、押入、ベランダ等比較的狭い範囲での栽培であった。屋内における栽培に当たっては、市販されている書物やインターネットを利用して栽培方法を学んでおり、種子についても、自生大麻から種子を採取したり、栽培目的を秘しての輸入やインターネットを利用して大麻種子販売店を検索し購入するなどしていたものである。
栽培事案の増加傾向は、国内の大麻の流通にも影響を与えているものと思われ、国内供給(自己栽培)の増加は、リスクの高い海外からの供給(密輸入)に比べ容易であることから、今後も同傾向が続くものと思われる。
警察庁組織犯罪対策部薬物銃器対策課編「平成19年中の薬物・銃器情勢」1,7,12ページ
http://www.npa.go.jp/sosikihanzai/yakubutujyuki/yakujyuu/yakujyuu1/h19_jyousei.pdf

問題が広まると、即、規制強化が叫ばれ、目下のところは、大麻の種子とどうコントロールするかが話題になっているようです。大麻の栽培が広まっているのは、日本だけの問題ではありません。世界中を悩ませている大麻の栽培問題、単純な規制の強化で乗り切れるとは、私には思えません。
当ブログで何度か紹介しているUNODC(国連薬物及び犯罪事務:The United Nations Office on Drugs and Crime )が毎年公表している「世界薬物報告書:World Drug Report」という文献がありますが、その2006年版のなかに、印象的な記事がありました。その一部分を私の私訳で紹介します。

● 大麻:なぜ我々は関心を持つべきなのか
[はじめに]
大麻に関して、国際社会は現在困惑している。いっぽうでは、厳格さの程度に差はあれ、大麻はヘロインやコカインと同様に、1961年の麻薬に関する単一条約の下で規制されている。実際上、世界のあらゆる国家はこの条約を批准している。しかし他方では、多くの国では、大麻の違反行為は他の麻薬に関する違反行為に比べてはるかに寛大に扱われている。このように矛盾したメッセージが国民に伝えられており、一般大衆の見解を混乱させていることは当然である。
大麻は、こうしたスキームに真正面から直面しているというより、むしろグレーな領域に滑り落ちてしまっているといってよい。制度上は違法であるが、優先事項からはずされ、この薬物はあらゆる他の薬物をしのいで人気を拡大し、同時に法を犯そうとする者を富ませている。大麻をめぐって国際的な盲点が形成され、こうした暗黒の下で、この植物自体もかつてと比べ強力なものへとつくり変えられている。(略)
いまや市場を動かす力学になっているとはいえ、この世界最大の規制薬物に関しては、いまだほとんど知られていないのである。(略)たとえ大麻を栽培する面積が記録されていたとしても、こうして耕作地からどれほどの薬物が産出されるかに関する研究はほとんどない。結果として、世界の生産量推計はきわめて暫定的なものにとどまっている。
こうした疑問に答えるのが困難な理由はいくつかある。他の薬物性作物と異なり、大麻はほとんどどこでも、室内も含めて育成可能であり、大麻が栽培されていないと厳密にいいえる国はほとんどない。
http://www.unodc.org/pdf/WDR_2006/wdr2006_chap2_why.pdf

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